身毒丸 復活・3月13日マチネ。

C列下手にて観劇。
さい芸はオケピを3列で埋めている為、段差無しで見辛い。
しかも、前の男性の座高が高くて泣いた。(爆)
でも、必死でガン見の形相。(@_@;)

この身毒丸の世界は、大道具と美術と照明が
異形のものと融合して生まれた、独特の芸術だなと
改めて思う。
多種の台座が重なって出来る、身毒丸の家。
あの大きな台車を、暗転時様々な方向へ移動させ
時には舞台袖で、スモークの霞の中で夜の帳を演出する。
あの暗がりの中ぶつからぬ様、巧みに計算された線を
時には、キャストが腰を落として押してゆく。
あの大掛かりで円滑な転換が無かったら、この舞台は
味気無いものになっていたに違いない。

小道具にしても、仏壇の蝋燭がぼっと下から灯る瞬間に
驚いたり、柱時計の位置が高いなぁ等と楽しみは尽きない。
鬼子母達が我が子を捜し求める際持っているものも、
三輪車や等身大の焼け爛れた人形、出征時の日章旗の
寄せ書き等時代を感じさせるものばかりで、モンペ姿も
相俟って母達の叫びが突き刺さる。

この演目は、舞台演出としては珍しくスポットライトを
極力使っていない。
其の代わりに、地下の地獄夢の情景や仮面売りの登場する
夕焼けの刻み。
青い月、紫の月。
鮮明な色が、観客に鮮烈な印象を記憶させる。

昨日のせんさく君は、名古屋の初日に見た子で
聞き易かったなあー。
お父さんはすっかり馴染んでいたし、蘭さんのキレが
戻って来て、凄く嬉しかった。
石井さんの、穴の地下を指し示すポージングも(^_^;)
びしっと復活していた。(笑)

竜也さんも、とても落ち着いていた。
力みが抜けて、何かが変わった。
私は乾いた迫力のある身毒より、湿気を帯びた
しっとりとした身毒丸が好き。
予想に反して、溺れるかも。(^^ゞ
息継ぎ出来なくなったら、どうしよっ。


戻る