ヴェニスの商人・9月2日マチネ。

先週一度、仕事で空いてしまったので今度は無理矢理
仕事の前に押し込んで^_^;3階ボックス席、下手側
馬蹄の一番端っこにて観劇。

2階・3階とセンター寄りしか持っていないので、
どうしても真上から観てみたかった。
探していたら、丁度未だプレイガイドに売れ残っていて
ラッキー。(*^^)v
段差が大きいから、恐怖のボックス席だけど(爆)
後ろにも前にも左にも、誰も居ない。にやり。
転落防止の柵以外、見切れ全く無し!
ジェシカが顔を覗かせる、シャイロックの家の
2階の窓も目の前です。
視界超良好〜♪身体ごと、シートに斜めに座れるので
首も痛くならない。快適。(*^。^*)
只一つ、自動照明が真横にあるからファンが
ファンファン回って(笑)ちと煩い。
でも、本当に照明が美しいです。
黄色やオレンジ、緑色。蒼い海。
満点の星空、雨模様。夜の細波。
A席だけど、1階後方より断然お薦めシートです。

市村さんの緩急もいいんですけど、大川さんの
台詞の間がいいですねぇ。
詞が身になっている感じが致します。
ランスロットの道化、中々難しいと思うんですが
きちんと天使と悪魔、ランスロットの中で良心と鬼が
葛藤している様が表現されています。

もうね、これは一度思ったら振り払えなくて
如何し様も無いことなんですが、ポーシャが
どうしても純潔の処女に観えなくなってしまいました。
困ったなぁ…
私の中では、余程のことが無い限り厳しい状況に
なってしまいました。
是は、勿論寺島さんの実年齢を知ってのことではありますが
やはり、御声がもっと幼げだったら少しは
救われるのかもしれません。
容姿も御歳相応に見え出したら、もう駄目なんですよね…
乙女の恥じらいや社会への無知蒙昧さが、演じることで
カバーされていないんですよ。

小林さんも、段々厳しくなる。
声質や滑舌以前に、がなり過ぎて声嗄れしつつあります。
かなり台詞量も少ないとは申せぬ役ですが、発声方法に
問題は無いのでしょうか。
ネリッサに求婚するシーンで、噛んだのは仕方の無い
ことですけれど『すみません!』と謝ってから、
もう一度言い直すのは如何なものでしょう?

ちょっと辛口ですが、この御二人には後半戦に向かって
ご健闘願いたいです。

サレーリオがソラーニオと騒ぐシーンで、大声に驚いた
近所の犬が騒いだり、朝焼けの中で小鳥の囀りが
聞こえたり。
三重奏の生演奏を含め、この公演の効果音は
とても繊細です。
最後の最後に鳴った劇場内の携帯電話の音が、
一瞬お芝居を壊しました。
電源を切るお願いのアナウンス、きちんと入って
いるんですけどね。
日曜公演には、無神経な方もいらっしゃるのでしょうか。

ロレンゾーは、ジェシカにキス攻めにされて
おりますな。(^^♪
でれでれゾッコンであります。
京野ことみさんのジェシカ、内に陰を秘めつつ
恋に邁進する乙女、私はお似合いだと思います。

本日の、気になるワンシーン。(^_^)/
ポーシャのお目見え前に、ぞろぞろと出て来る5人衆。
其々フェンシング、乗馬、コーヒーを持った船乗り、
バグパイプは持っていないのにタータンチェックで
ミニスカートのおじさん、最後に豪快にげっぷを残して
去ってゆく、ヨーデル風の酔っ払いおじさん。
この5人は、仮装の延長と解釈して宜しいんでしょうかね。
かなり、異様な出で立ちなんですよ。(^_^;)
ちょいと不思議な御一行です。

其れから、気になる戯曲の一行。
ソラーニオが、アントーニオのことを表した台詞。
『バサーニオだけが唯一の生きがいなんだ。』
この一行って、省いていますよね?
劇場で購入した、河合氏の翻訳で一番響いていた
台詞なんですが、意図的に外しているんでしょうね。

竜也さんは、唐突ですが漁師ですな。
魚の群れを探知して、ここぞと云う時に大きな網を放って
引けば大漁!って処です。(笑)
ここだ!と気合いを入れた時には、モロッコ大公にも
アラゴン大公にもバサーニオにも、観客が持って
行かれております。
今回は喜劇の部分を担っていますから、反応が
さぞ楽しいでしょうねえ〜♪

是は、市村さんにも同じことが言えます。
悲劇の部分を担っているシャイロックですが、
ふと覗かせる一瞬の喜劇の場面で、巧くお客さんと
呼応していらっしゃいます。

モロッコ大公の、お供の『おおぉぉぉ!』と云う
雄叫びを遮断する『煩いっ!』の間が絶妙。
『どこぞの神よ!!!』も、いいな。(^^ゞ
ドーラン氏の解釈が独特のものなので、モロッコ大公も
アラゴン大公も、戯曲には無い台詞がちらほらと
挿まれております。

アラゴン大公は、腰曲がり過ぎですよね。(笑)
既存の物語で、もしも…は無い訳ですが。
もしも、もしももしも!銀の箱に絵姿が入っていたら…
アノ腰で、夜伽は…失敬。
じぃぃぃっと、悲しい独り身を守って下さいです。

ヴェニスの法廷から、アントーニオを連れて
ポーシャのお屋敷へ戻って来たバサーニオ。
…ポーシャの絵姿を…ブローチにして…
胸に付けてるんですよね。
ぷっ、バサーニオ、ダサッ!(笑)

『ええぇぇぇ?』やら『はははは…』やら、感情の
表し方一つをとってみても、確実に留学前よりも
内から変化していることが窺えます。
ヘラクレス・ノブナガとは、雲泥の差が出ていますよ。

初め、アントーニオのバサーニオに対する愛が
一方通行だったのですが、段々とバサーニオの
アントーニオへの愛の方が、増さって参りました
よよよよおーん。(^◇^)ほっほお〜♪

カーテンコールでも、変わらず満面の笑みの竜也さんです。
市村さんや徳馬さんと、顔をあわせては
        ぷぷぷっ♪
っとご満悦で、私も満足この上御座いませんっ。
       ヽ(^。^)ノ
最後には、徳馬さんに手を引かれてご退場。
うむ…アントーニオとバサーニオ。
カテコでもラブモード。怪しい。(笑)


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