ヴェニスの商人・9月12日マチネ。

2階下手側にて観劇。
うん、凄く観易い。
私は今公演、1階席より上の方が好きです。

あのですね、私だけが感じたことなのかもしれませんが
流石に少々、中弛みが来たかなあー…と感じました。
お芝居の部分で、崩れてしまったと云う意味では
御座いません。
感情の部分で、観客とズレてしまったと云うか
擦れ違ってしまったと云う印象です。
役者さんにも、勿論体調であったり気持ち的なもので
揺らいでしまうことがあるのは、理解しているつもりです。
次に拝見した時、どう伝わって来るのか
注視したいと思います。
あ、是は竜也さんに関してです。

其れと、3日前に嫌な予感は薄々していたのですが^_^;
口髭、伸ばし始めました。
時代背景を考えれば、成人男性は生やしていて
当然でしょうし、他の男性キャストは皆さん濃く
生やしています。
でも、仮装以外のお衣装はスーツですしね?
美麗バサーニオを観ていただけに、アントーニオが
愛した爽やかな彼は何処へ…と云う心境に、
思わず駆られてしまいました。(ーー;)
次のお仕事で必要なのでしょうけれど、ドーラン氏が
観たら、どう思われるのでしょうか。

真っ赤なTバックおパンツは、もう止めたのね。(笑)
シェイクスピアだから許されると考えていたんですけども、
評判悪かったのかな。(=_=)

バサーニオが箱選びをしているシーンで、歌が奏でられて
おりますが、是はオリジナルの歌詞なんですよね。
ディンドン♪ディ〜ンドン♪は鐘の音だから
残して御座いますが、何処〜♪何処〜♪って云うのは
随分とストレートだなぁと思って、何時も耳にしています。

ところで、韃靼人ってモンゴル人のことですよね?
本公演で使用されている、河合氏の訳では
『心ある礼儀等に馴染んだことの無い韃靼人』
となっているんですが、私は福田氏の翻訳
『韃靼人の、思い遣りを知らぬ心』の方が
しっくり来ますね。
後に続く『哀れむ』よりも『情』も好みです。

シャイロックは、裁判で絶望して一度はナイフを
手にとって、喉を突こうとしているんですよね。
しかし、直ぐに思い留まる。
信仰を他人の意思に依って挿げ替えられてでも、やはり
命あってのシャイロックなのか。
其れとも、娘と同じキリスト教徒となり利子を取ることを
許されぬことが、返って諦めに導いたのか。
生きる術を取り上げられた、命でも何でも取ればいいと
言っていたシャイロック自身は、果たして
不幸なのでしょうか…

生演奏は、大変ですね。
仮装行列のテーマは、アコーディオンが段々と滑りますし、
タンバリンも正確なリズムがズレて来る。(^_^;)
やっぱり三重奏は安心して聴いていられますが、
昨日はフルートが1オクターブ上がらず、結局低い旋律で
対応せざるを得なかった様です。
リードを使う木管以外は、金管楽器を含め唇の湿りは
或る程度大切ですが、余りプロの方がああいう状態に
陥ってしまうのは拝聴したことが無かったので、
少し残念でした。

今回は、物凄くラストシーンが脳裡に焼き付きました。
バサーニオとポーシャのシルエットに移る前、
鳥の囀りと共に朝焼けが表されているのは
解かっていました。
ところが!上手のセットに、朝日に照らし出された
木の枝の陰が出現しているではありませんか。
6回目で、初めて気付くなんて。(恥)
今回、座席によって照明効果の差が大きい為
もしかしたら、場所によっては見えないのかも???
次回、確認せねばな。(p_-)

照明の落ちる速度も、その時によって違うんですよね。
朝焼けの時間が長かったり、短かったり。
バサーニオの、ちょいとポーシャに強引にキスしようと
しているシルエットは、衝撃的だったよ?
あんなこと、してなかったじゃあ〜ん…萌え。(爆


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