ロープ・12月20日マチネ。

二列目下手側にて観劇。
カメラ収録日は、明らかに役者さんのテンションが
オカシイ。
じゅんさんが!鉄塔のドアを!!破壊致しました。(笑)
婚姻届を嬉しそうに持って来て
『取って来たっ♪』と勢い良く開けた瞬間!!!
バキッ!(^^;)!っと音を立てて、ドアは丸ごと
じゅんさんの腕の中に納まった。
りえちゃんと竜也さんは、平生を装ってお芝居を
必死で続けました。
御顔は^m^にやけきっておりましたがねぇ。
蝶番は、ちゃんと普通のドアの様に二箇所留まっていたのに
やはりセットは、造りがちゃちいのかぃ?!
ドアを立て掛けようにも、壊れた蝶番が外側に跳ね上がって
斜めになってしまう。
鉄塔のドアは出入りも激しいし、お芝居の一番最後に
ノブナガが、余韻を漂わせ大切なシーンに使用する。
どうするのだろうと見ていると、裏手から大道具さんが
手だけを伸ばし、電動ドリルを使って蝶番を素早く外し
再び内側から、応急処置を施して修繕しました。
進行するお芝居と、電動ドリルの鈍く響く音。
滅多に遭遇する光景では御座いません。
不慮の事態に平常心を保つことが出来る役者さん、
迅速な指示を出せる野田さん、そしてスマートに対応出来る
裏方さんの、絶妙のフットワークをしかと拝見。
だがしかし。あの映像は放送には使えまい。(爆)
ソワレと繋いでおくれ…

そうそう^_^;私、もずくは大好きなんですけれど
セロリは食べられません。
お盆に乗っているセロリ…
ノブナガの食べたセロリでも、ぷう〜んと漂う臭いが
若干辛いです。(=_=)

りえちゃん、紀伊国屋演劇賞受賞おめでとう。
『うがぁ〜!』の、鯱のポーズ天晴れじゃ♪
安定していますが、Dの遺体を表現した台詞が
飛んでしまいましたね。
どうしても終盤『人が変わったみたい』には観えない。
野田さんが欲したタマシイの姿が、狂ってゆくもので
無いならば、今後も変化することは無いだろう。

えり子さんはさあ〜、ズルイよね。(^^
野田さんへの数々のビンタが、収録の為優しくなっていた。
本当の虐待は、放送コードに引っ掛かるのだろか?(爆)

宇梶さんは、口を大きく開かないで台詞を回すのが
デフォルトなのよねん。
気になり出すと、止まらない。

じゅんさんの『ユダヤの社長』は、この度は
『キダ・タロー』先生でしたね。(笑)
毎回違うご様子ですけども、是は本番前に
考え抜いているのか。
はたまた、即興の閃きが頼りなのか。

松村さんは、全篇力んでいるのに軽さがきちんと
出せている。
野田さんの色に染まっていて心地好い。
普段、竜也さんの大量の汗が気になるのですが
この演目では、松村さんが滴る汗で賞!かも。(笑)

まことさんも、兼ね備えたリズムが素敵。
ボラのキャラクターが、段々憎めなく…
愛しくなってゆく。拙い。(*^^)v

竜也さんは…終始力が入り過ぎ。
腹筋と発声の関係は、一筋では無いと思う。
クラシックを奏でる発声は、決してがなって
成立している訳では無い。
地声も大きいんだし、もっと抜ける場では楽しても
いいんじゃないかなあー。
ノブナガは、全身全霊を掛けて演じるべき
役では無いと思うし、身体的にも負担が少なくなる。
今のままでは終演後、疲労困憊の状態が続くと思うぞ。
レスリングパンツの時の髪型、初めっからあんなに
オールバックでしたっけ?(笑)
鳥みたいで、可愛いけど。(#^.^#)
勇士か?と己に問うノブナガの、溢れる涙が美しい。
リングサイドで嗚咽する幕は、彼であってこその
シーンに仕上がっている。

カーテンコールで、竜也さんの笑顔が見られないと
心配されている方が多い様です。
3回の時も4回の時も御座いますが、りえちゃんは
きゅっと口角を上げて笑みを浮かべています。
竜也さんも、白い歯を見せて笑うことは少ないですが
にこっと一瞬、微笑みは浮かべていますよ。
何と申しましても、作家であり演出家の野田さんが
演者としても同じ板の上に並んでおりますし、野田さんは
カーテンコールでの表情がとても固い方です。
神妙な面持ちの野田さんの横で、にこにこ笑うことは
平常の公演では、今後も無いと考えた方が宜しいです。

今週はX'mas week
野田さんの戯曲は、まるで予知するかの様に
現代とリンクする瞬間が在る。
『オイル』の時、片道分のオイルを積んで飛び立った
二本の火柱は、どうしてもWTCを髣髴とさせた。
余りにリアルで、怖ろしくもあった。
今回の『ロープ』の中にも
    『暫しのクリスマスの休戦』
と云う詞が出て来る。
当然、宗教的な象徴でアメリカを揶揄して
いるのでしょうが、只其れだけで流してしまいたくは無い。
後に神と呼ばれる様になる、イエスキリストの聖誕祭。
大人だって、何かお願いをしてもいいじゃない?
ミライの人々は、皆のっぺらぼうの仮面を被っています。
顔の見えない人間→人間として見ない→殺してもいい人間。
今年のクリスマスには、この催眠の連鎖から
人間が覚めることを願って…
喩え、無駄な祈りだとは解かっていても。




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