ロープ・1月24日マチネ。

後列センターにて観劇。
もう、スタッフ・キャストの方々の余裕にも似た空気を
感じました。
こなれてしまうことは、時には面白みが
薄れてしまうことにもなりますが、気持ちの部分で
おおらかに接することが出来ると思います。
事実役者さんの間や動きにも、阿吽の呼吸や
しなやかな所作も加わり、観ている側にも安心感が
伝わります。

今日のJHNDDTには、ちょっと優しい心遣いが
観受けられました。
ペットボトルから、ADとDの顔面に水を吹くシーンが
御座いますけれど、野田さんの眼鏡にもろに大量の水が
掛かってしまい、余りにも居た堪れなくなってしまった
ご様子でした。
眼鏡を外して、洋服の裾できゅっきゅっと水滴を拭い
再び掛けて差し上げておりました。
サディスティックなJHNDDTから、ふと女性らしい
えり子さんに戻ってしまった瞬間でした。
よく役柄から素に戻ってしまった役者さんを観て、
現実に引き戻されてしまう場合も御座いますが
このタイミングに私は、一旦緊張を解して貰い
ささやかな小休止。
好い趣向に映りました。

序盤に、タマシイからキックされたノブナガが
お膳を落として、崩れ落ちるシーンがあります。
左にキックを入れられて、右側を摩るのはどうかなぁ。(笑)
お膳を手に持っている状態や立ち位置はまちまちなので、
左手で持っている瞬間に襲われると^_^;こんなことに
なってしまうんですよね。
不安定に持っていたらば、もずくが床に引っくり返って
お椀に戻して、其れを啜る破目に陥ることもある。(=_=)
でも、りえちゃんを責めてはいけない。
タマシイは、左側からしか来ないのだから。
此処は厳しく、左手でお膳を持っていた竜也さんを
弾糾しておこう!(←厳し過ぎる)

しかし竜也さん。
完全に力みが抜けましたね。
本当に好かったよぅ…
タマシイの『密やかな結婚だってばぁ!』と云う
台詞を受けたノブナガの『駄目だ。』
こんな一言に打ち抜かれた私はやっぱり、
妙な人?(ーー;)
文字で表すのは難しいんですけども、今迄はりえちゃんの
テンションを引き継いだまま
      『駄目だっ!!!』  
     だったのですが、其れが 
          ↓
       『駄目だ…』 
に、変わったのです。(爆)
あの柔らかな一瞬の余韻が、堪らなく魅力的。

マニアックな視点が続きます。(^^ゞ 
自称太腿フェチ、前列では乙女の恥じらいが邪魔をして
今迄直視出来ませんでしたが、程好い距離でこの度
じっくりと観察。
じゅんさんの筋肉質で男性的な太い腿と、竜っちゃんの
スリムなスーパーモデル級の腿。
腕も気になりますが尺の問題もあり、其の対比からは最早
細腿と呼ばせて頂くに相応しい。(←何を語っているのか)

個人的な趣き等は端に置いておくとして…
この演目で、まことさん演ずるボラの位置が
非常に重要な導きになっていることを、忘れては
いけませんよね。
或る種のストーリーテラーでもあり、物語を理性の観点から
冷静に統制してゆく、大切な役処。

又、内面の変化が一番著しいのは余り目立たない
三宅さん演じるADかもしれません。
地味で弱い立場でありながら、顕著に心情が流されてゆく。
Dの部下で最も平常心を保っている様に観える彼が、
催眠に依り暴動を率先してエスカレートさせてゆき、
末にはDに暴力を振るい闘争の生贄として捧げてしまう。
戦争を煽り興奮の覚醒に酔ってゆく其の姿は、正に
左右され易い大衆の他人事に対する理性の欠如を
露見しているなと、背筋に悪寒さえ奔ります。
懼れにも似た其の鏡に、反面教師として自らの姿を
映さなければなりません。




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