オレステス・11日ソワレ

コクーンシート下手側前方にて観劇。

初めての休演日前公演。
役者さんにとっては、一番疲労されている筈。
しかし竜也さん、御声が回復されて一安心。
初日は台詞の無い時『んんんっ』と、密かに咳払いを
されておりましたが、本来の聴き易さが戻り
是でスタートラインに立った感有り。
若干未だ、本調子では無いと思いますがこの分なら
好い公演が期待出来そうです。
御声が戻ったからかは解かりませんが、少し台詞を
早く回し過ぎて聞き辛い部分は出て参りました。
未だオレステスは未完成だと感じましたので、
今後の発展に期待したいと思います。

身体の傷に関しては、男性なので大事に至らねば
私は我慢して拝見しようと決意致しました。
演じていらっしゃる際には、御本人の痛みは
麻痺してしまうと思いますけれど、カーテンコール後には
痛みの自覚に苛まれることでしょう。
背中と肘の傷は目立ちませんが、右腿の外側内側に
大きな痣が多数。
右足の親指人差し指、左足の人差し指に頑丈なテーピング。
裸足の為、爪を傷めてしまったのかもしれませんね。
膝のプロテクターが汗で動いてしまわぬ様、テーピングにて
固定されていました。
プロテクターの膝の部分には、滑り止めが加えられて
おりましたが、是は余り効果が無かった様な…
狂気に襲われているシーンでは、水で豪快に滑って
しまうことも多いので、上向きに転倒した時に
頭だけは打たない様にと願っています。

雨は降らせる時間も量も、演出上これ以上は減らせないと
云う処まで抑えて来ています。
雨に一番多く打たれるのはエレクトラですが、
二列に降っている雨と雨の間に入ってしまった際の
台詞以外は、聞き取り辛い場面はありませんでした。

コロスの力は衰えていませんが、少々バラつきが
気になりました。
全体で発声している際、口パクだけで御声が出ていない
役者さんがいらっしゃいました。

鋼太郎さんは、ちょっと喉を痛めてしまいましたね。
通常とても大きな通る御声なので目立ちました。
有起哉さんは、ちょっとだけ策士の荒々しさが
出て来たかな。
私は、更なるワイルド系を希望。
横田さんは笑いを得ていましたねえー。
ギリシャ悲劇とは申せ、喜劇的要素が皆無では
御座いません故初日も竜也さんが、ピュラデスに投げる
『君は本当にいい奴だ♪』で、笑いを取っていました。
純粋な道化的役割、頑張って頂きたいと思います。
去勢された宦官の様な奴隷でも、一番危機的状況に
あるのは、容赦無く引っ張りまわされるよこちんの
頭髪かもしれません。(^^
竜也さん、いっぱい抜けちゃうから
手加減してあげてよぅ〜。

中嶋さんと竜也さん、よく涙を流しております。
大変顕著に、姉弟愛が視覚的に表現されています。
エレクトラは、死刑を知らせる者がオレステスの正当性を
語り出した時に。
オレステスは、テュンダレオスに姉を愚弄された時に。
此処迄、蜷川さんの演出が掛かっているのかは
不明ですが、演じている役者さんの感情は確実に
其処迄持ってゆかれています。

この度、ビンタが2箇所追加されておりました。
一回目はオレステス⇒メネラオス。
助力を懇願している際に『叔父さん!』ってね。
初日は御顔を、ぐいっと向かせていただけだったのに。
オレステスの、目を覚まして欲しい気持ちは
伝わりますが、如何せん鋼太郎さんと云う先輩の
ほっぺ…中途半端な加減でして。
もっと思い切ってゆこうよ!竜也さん。(←無理だ!)
二回目はピュラデス⇒オレステス。
『友達同士の間で、そんなことを気にするのは恥だ!』
是また何とも弱々しいビンタで。(笑)
有起哉さん、愛の鞭です。
思いっきりいっちゃって下さい。
竜也さんが吹っ飛んでも構いません。
あ…駄目か(~_~;)一応病人だもんな、オレステス。
でも、弱っているのは初めだけなんだよなあー。
報復行動に出ている時には、活き活きとしています。(*^^)v

此処からは、ちょいとR-18指定をば。(ーー;)
オレステスがピュラデスを愛でる部位が、今回は
肩や胸が多かった。
手はにぎにぎしてたけども^m^若干物足りない。
有起哉さんが支える時に、竜也さんの腰から
脚の付け根迄手を伸ばしたのには、流石にビビル私。
        !(^^)!
や…多分御本人は、横へ向いて支えながら必死に
前を向こうとしているだけだとは思うんだけど。(笑)
まぁねぇ、唇へのキスはハムレットで終盤に散々

拝見致しましたので、えっ?!おでこなのっ?
ちぇっ(=_=)…とか、そんなことは口が裂けても
申せませんが。
でもほんとは…御口へのちゅっ♪がやっぱ
見たいかもおー。(爆)
お姉様と弟さんはですね、今回わたくしめ
殆ど真上からお二人の絡みを拝見しておりました為、
オレステスの背中を伝うエレクトラの手が非常に
好ぅ御座んした。
お好きではありませんか?殿方の背中に回した手。(爆)
オレステス、上半身裸体ですからね。
それはもう(以下自粛)
ん〜♪魅惑のトライアングル。(←阿呆です)

馬鹿なことを言っている場合ではありません。

最後の演出についてですが、初回は前方席だった為
方法が不明でしたけれど、アポロンを表す強い光は、
大きな鏡にスポットを一旦当てて、其の光を反射させて
役者さんに当てています。
皆さん我慢して眼を見開いていらっしゃいますが、
相当眩しいのではないでしょうか。
頭上から降って来る大量の紙は、2階席全体から
6名の黒子さんが撒いています。
束にならずに華麗に撒くには、手首の捻りが必要な
様で御座います。

ちゃむお気に入り、お薦めシーン3つ。
1.オレステスの、唯一の独白。
  命乞いをする惨めな姿から、一気に策略を現す
  腹黒さが堪らない。
 (第二幕、戯曲P45L68
2.オレステス、エレクトラ、ピュラデス3人での
  計画成就祈願。
  次々に台詞を繋げゆくさまに、わくわくする。
  オレステスが、土の下に眠る父に剣を賭けて祈ります。
 (第四幕、戯曲P79L3P80L5) 
3.オレステスが、プリュギア人を攻める幕。
  此処しか、オレステスが揚々と活躍する場が
無いとも言える。
  凛々しいオレステスが観られる。
 (終幕、戯曲P94L9P96最終行)

私事ではありますが、14日の観劇はやはり
無理になり、目指していた4日おき観劇計画が
破綻致しました。(/_;)
次回観る時には、完成に近付きつつあると
いいなあー。




戻る