オレステス・名古屋前楽。

3列目センター下手寄りにて、約一ヶ月振りに観劇。

劇場が違えば必ず違う音響。
会場が広い。振り向いて二階席がとても遠くに在る。
最後列まで生の声を届けるのは難しい。
ステージ脇〜中央にスタンドマイク。
大阪では舞台裏に隠れてしまったと云うパーカスの
音の響きが、耳に届く生の音とスピーカーから
若干響く音と
あいまって心地好い。
スピーカー音量は、極力抑えられている様でした。
平屋構造の厚生年金会館は、元々天井が高く音楽を
聴かせるには適した環境のことが多い。
役者さんの声は、ハウリングして聞こえることもあり
生と機械を通した声との狭間で、少々戸惑うこともあった。
会場のキャパを考えると、マイクは必要な配慮だと
思ったので一千人以上収容出来る劇場での、ストプレの
難しさも感じた。

二列降らせている雨は同じだが、傾斜は大きいのに
降る位置が前方にズレており、水捌けが悪い。
舞台縁に堪った水が、役者さんの動きに合わせて撥ねる。
一公演での使用量が5tと云う水、まさかとは思うが
漂って来る臭いに、再利用は可能なのか?と舞台構造を
思わず考えてしまった。
終盤大量に客席に流れて来るスモークも、何やら
ゴムの焼ける様な臭いが混ざって息苦しい。
役者さんは背を向けているけども、観客は
直接喉を突かれてしまう。
特殊な演出を可能にする技術の、限界に挑んでいることは
認めたい。

役者さんの状態は、竜也さん・鋼太郎さん・田村さんは
絶好調だと感じた。
大阪で咳き込んで、風邪気味だと聞いていた竜也さんだが
アレは風邪の咳では無い。嗚咽。
第一声を聞いて安心した。
中嶋さんは東京の後半から、お辛い状態が
改善されなかった様子ですが、前半の好調を
知っているだけにご本人が一番悔しいのだろうと
お察しします。
しかし声が出ていない状態では無いから、過酷な環境の中
ご本人のケアや努力がとても感じられた。
お父様の助言から大きく変わられた有起哉さんは、
大阪では篤くなり過ぎてしまったそうですけれど(^_^;)
其処から一歩抑えたピュラデスは、他のキャストの
テンションと実に均衡のとれた、素敵な人物像を
完成させておりました。
瑳川さんは私が観劇した回では、今公演台詞が
滑ってしまう
ことが多く、憂いが多い点でした。
でも、メネラオスとの再会シーンで馬鹿婿と
馬鹿義父(爆)を好演!
もう可笑しくて(^^♪笑って許してしまった。
横田さんは…ちょっと抑えてるの?(笑)
貴方の本気は、もっとパワフルだ。
初舞台のヘルミオネは、やっと硬さが取れて来て
柔軟な表情が見られた。
これから伸びてゆく役者さんかもしれないと感じられ
嬉しい。
コロスの皆さん、声を合わせる科白は鳥肌が立ちましたよ。
実際単独で演じるよりも、15人でタイミングを
合わせること自体に技量が問われることで、その日の
コンディションや気合いによっても、大きく
左右されてしまう危うい役柄だなと一考した。

竜也さん、弓でもう訳解かんなくなっちゃったね。(ーー;)
アポロン様あああぁー!!!って、2回も立膝で
滑って来てびっくりだったぞ。(^^
そんなに緊張しなくったって。(笑)
リラックスして、貫徹してちょお〜。

さて。大楽の行く末は、如何に。




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