ライフ・イン・ザ・シアター・4/12ソワレ

世田谷初日、おめでとう!

東京公演内で劇場が変わって、私は乗り換えが1回で
済む分シアター1010の方がアクセスは楽でしたが^_^;
ホールの施設的には、舞台幅が広過ぎたんですよね…
今回の二人芝居には、余白が多過ぎました。
世田谷パブリックシアターに移動し、音響が好みの範囲に
変わりました。
これは好みの問題なので一概には申せませんけれど、
音の響きや照明効果も演劇を左右するものだと
認識しておりますので、出来るだけ有効に機能した方が
興行的にも好ましいのではと思います。
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列目にて拝見致しましたが、座席の傾斜が
前列と全く被らない設計の為、前回よりも非常に
観易かったです。
世田谷パブリックシアターは、舞台から最前列の距離も
殆ど無く列間の通路も御座いませんので、実質的には
距離が近くなります。
ですから私でも(笑)何とか眼鏡で観劇可能。

本日は、少々辛口になります。
世田谷初日と言うこともあり、開演前からとても
気になったことがありました。
センターど真ん中の2列は、関係者で埋め尽くされて
おりまして、演出のポール・ミラー氏を含め何とも
異様な光景で御座いました…
会社の役員やキャストのご家族がこれだけ多く
いらっしゃっていると、カメラが入っている撮影日の様に
大概なってしまうものでして、要は出演者の意識が
散ってしまうと申しましょうか。
私は、やはり放漫になってしまった部分も多少は
感じてしまいました。

とは申せ、台詞は身になっていると思いました。
演出的に大きく変えて来ている部分は無く、
スクリーンもそのままでした。
照明が少し凝りましたね、スクリーンに映る模様や
部屋の窓を表したもの等。

変えていると言えば…第9場でしょうか。
シアター1010の楽前からだそうですけれど、
大袈裟に勇ましく劇中劇を演じているんですよね。
私は、どちらかと言えば初期のシリアスな状態から
ロバートが台詞を間違えて…と云う流れが好きです。
そこまでしなくとも笑いは充分取れていた幕ですので、
敢えて初見の観客に解かり易くと云う形なのであれば
それは表現としてありですけども。

第1場は、掛け合いのテンポが良くなりました。
導入部分でもあり、この幕は意外と長いので
間に穴が開いてしまうと、お客さんを最後まで
惹き付け続けるのが難しくなってしまう大切なシーンです。
細かいことを言う様ですが、ゴミ箱に入らない
ジョンの放り投げたティッシュ。
私はポーンと下手側の遠くに飛ばした時が好きでした。
ジョンのいい加減さとロバートの几帳面さが
浮き彫りになって、とっても気に入っている
シーンの一つです。

多分12〜13場に架けてだと思うのですが、
やっぱり明るい青のTシャツは本番では着ていません。
眩しい黄色。(笑)
最後にブルー系のTシャツをお召しですけれど、
アレはどちらかと言うと深い緑ですよね。

第14場の食べている幕ですが、掛け合いのジョンが
物凄く嫌そうになっています。
その分、ロバートがとても寂しそう…(=_=)

第15場の衣裳部屋のモヒカンが!!!
観る度にエスカレートしていて笑えます。
もう、ハリネズミの様につんつんです。
濡らしただけでは、あそこまで立ちませんよね?
ロバートも、整髪料付ければモヒカンヘアーに
なれるのに。(爆)

第17場は、台詞変えましたか?どうしてかしら。
最後の『クリーム』が『ファンデーション』になった。
必然的に、暗転間際に救命ボート用の顔の汚れのメイクを
施しておりました。
好きだったのになあー、ロバートの嫌味たっぷりの
『はいっ!クリィィィームッ!!!』

第23場は、ジョンの立ち位置を変えたところが
あります。
こちらの客席側に顔を向けながらヘンリー5世の
台詞を言う部分も含めて、ロバートを送る時等に
舞台縁に近く立つ様になりました。

第25場、何故かジョンの衣装が変わりました。
今迄はシャツを羽織っていましたが、襟の大きめに
開いたシャツの上に、ファスナータイプのフード付き
ニットを着ていらっしゃいました。
あ、ファスナーは途中まで閉じています。(^^

終盤、市村さんの哀愁が深くなっていたなぁ…
おめかしをしたジョンに優しく投げ掛ける
『楽しくやれよ…』が泣ける。
ロバートのお友達になってあげたくなる。

竜っちゃんは、何かやけに御顔がてかてかしていた。(笑)
座っていても汗だくなのもあるけどねぇ、体調良さそうで
長丁場だから安心致しました。

このお芝居、何が言いたいのかよく解からないと仰る方。
いらっしゃいましたらキーワードは、人間の欲求の一つ
『食欲』です。
初日の幕が上がる前には、緊張して食事がすすまなかった
ジョンが、やがてはパンまでもりもりと食べられる様に
変化してゆきます。
対して体型維持の為に自身を律しているロバートが、
気を落として食事を取れなくなってゆきます。
人生の中で、人は幾度となくこの様な体験を
実際にしながら暮らしてゆきます。
食のことだけを考えても、良く練られている戯曲と
言えるでしょう。




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