ライフ・イン・ザ・シアター・東京楽

カメラ収録日も千秋楽も、どうしても出演者御自身が
意識しないでと云うのは中々難しいものなのでしょう。
人間ですから、高揚感や達成感が漲るのは理解出来ます。
観客の空気も、一種威容なものも御座いますが
是にのまれてしまっては、役者さんとしての技量は
些か崩れてしまうものです。
其れがプラスの要因として作用すれば好いのですけれど、
気持ちが先走って流れ気味になってしまう場合も
勿論御座います。
地方公演も多く残っておりますので、是非ペースを
崩すこと無く大千穐楽まで調整して頂きたいなと
思いました。

暗転の度に拍手を送るお客さんや、落ちる前に
先に大声で笑ってしまう方も見受けられ、其れで無くとも
行ったり来たりするスクリーンで気持ちを持続させることが
難しい公演ですので、気をお芝居から隔絶させない
心持ちが困難を極めました。
市村さんの一人芝居『市村座』では、あの拍手が
通例だそうです。
市村さんは嬉しそうでしたが、慣れていない竜也さんや
他の観客が戸惑ったことは否めないことでした。

第1場。私には不満が残った幕でした。
竜也さんの気持ちが散ってしまっていたのが直ぐに
解かったので。
『君達若い連中が、明日の演劇界を背負って立つ!』と
ロバートに言われた、ジョンの奇声は可笑しかったですが。
一つの小さな胡桃…の様では無かったのが惜しい。

第3場。ビリー、ちゃんとヘルメットに煙草を
投げ入れてあげて下さい。
座ったままのロバートさんが、前方へころころと転がった
煙草を拾うのに、苦労していましたよ。(笑)

第4場。剣先、一度で上げる様に元に戻っておりますね。
私は此方が好きです。

第5場。柔軟でジョンに圧し掛かるロバート。
『うっ…』と悶絶するジョン。
愛の鞭でしょうか?(*^^*)
足を折って仰向けに寝転がり柔軟する時に、今迄は
片足ずつだったのですが、いきなり両足を折って
寝そべったのでびっくりしてしまいました。

第8場。このまま『ラクダ』と『イタチ』で
ゆくのでしょうか?了解致しました。(^_^;)
この幕の安全ピン小僧(爆)は、いい感じでしたね。

第9場。葉巻合戦は火花が散ってますな。
市村さんが、先に竜也さんの葉巻に火を点ける訳ですが
自分の葉巻に火をつけようとしている市村さんの御顔に
『っぷうーーーーーっ!』って、竜也さん…
ライターの火が思いっきり消えてしまって、とっても
好みの趣きでは御座いますけれど(←好きなのか!)
本来市村さんは煙草を吸わない方なので、本気で
咽てしまっていて本当にお気の毒ですよ。
程々にね。(^^)y-.o

第11場。暗転時のスクリーンに、薄く照明を照らして
幕が上がる前の、ロバートの元気な屈伸運動を見せてから
開幕後の唸るお爺さんへと繋ぐ様にしたのですね。
面白い趣向です。

第13場。本読みの進まないじれったさで、ジョンは
テーブルに殆ど寝転がってしまって^m^観客の笑いを
巧く誘っておりました。
最後の台本を叩き付けて⇒『雨、降るよねぇ!』
の間に、一瞬の戸惑いが観られたのですが其れならば
気負いせずに、自然に発声した方が宜しいのではとの
想いが過ぎりました。

第14場。段々と、ジョンのどうでもいいとあしらう
『はぃはぃはぃはぃ…』が多くなっている様に思うのは
私の気のせいでしょうか。
初期には、そんなに沢山『はい』は無かった様な?
ま、ロバートに背を向けてのこの一連の流れは
気に入っておりますが。

第15場。この幕は市村さんだけのものなので、
今迄余り言及して参りませんでした。
只、台詞が流れてしまうので少々記しておきたいと
思います。
殆ど観客側には背を向けて、フランス革命の一場面を
劇中劇として演じるものですが
『其の叫びを我々は酒で誤魔化し〜』の部分が
何時も流れてしまって、気に掛かっています。
マイク越しの音声の為、気にならない方も
いらっしゃるのかもしれませんが、此処はもう少し
丁寧に演じて頂けたらなぁと考えます。
『今こそ顔を上げて!』と鬘が後方へと吹き飛ぶ
手法ですが、足で拾い投げて頭に上手に被せて退場〜
と云う遊び心は微笑ましいですね。

第17場。ジョン…
『黙っててくれなんて言って、すみませんでしたっ!』って
そんなに辟易としなくても。
『駄目ですかっ!』って、そりゃあ駄目でしょう。(笑)
もう少し朴訥と、嫌味っぽくてもいいから口でだけでも
お詫びを述べましょうよ。

第19場。ロバートの『諸行無常ぅ〜…』
あれだけしつこいと、ジョンの『何言ってるんですか!』が
際立って好ましいですね。
最近、覗くお尻の角度が鈍って来て残念です。(笑)

第22場。頬っぺについてしまったティッシュ。
市村さんがマフラーを渡す前に、気付いて
取って下さったと云うのに。
素でマジモードの『何するんすかっ!』一瞬の表情が
可笑しかったなぁ♪
最後の『取って来なよ…(怒)』が『取って来れば
いいでしょう…(呆)』に戻りましたね、何故だ。

第23場。この幕好きだなあ〜。(←窓に非ず)
竜也さんの、シェイクスピアの台詞回しが聞けるのも
一因ではありますが^_^;其れを抜いても、
ロバートとジョンの眼には見えない温かな気持ちの
掛け合いが好き。

第24場。『麻痺しているんだ!』
ロバート…人形と判ってはいるんですが、開腹部分を
メスでぐりぐりするのは止めて下さい!
中身が出てるじゃないですか、グロテスク過ぎますよ。
ジョンも『ほら!其処!!!』って、メスで
ぐにゅぐにゅしないでね。(笑)
ちょっと気絶したくなります。

第25場。想定された鏡で気持ちを確認し合う二人。
本当に最後の部分で少しだけだけれど、眼と眼を合わせて
ジョンがしっかりと頷いて、大丈夫と確信を得てから
下手の舞台前方へと向かってゆきます。

最終場。箱マッチでは無い簡易マッチは、火が直ぐに
消えてしまいますよね。
この幕では煙には余り意味が無く、煙草に
火が点いている時でも、ジョンは3回程しか
吸っておりませんし点火に失敗しても、気にすることは
ありません。
湿気っていて火が点き辛い⇒ロバートの好意をジョンが
受け取る、この流れが表現されていればOKです。
ロバートの『温かい拍手を、有り難う御座います…』に
何時も心が温められます。

カーテンコールで、がっちりと強く擁き合う御二人に
惜しみない拍手が送られました。
終焉部分がフェイドアウトする戯曲なので、派手な
スタンディングオベーションはし辛い公演です。
キャストが2人だけですから、ステージ上は若干
寂しい気も致しますけれど、東京楽と云うことで
御二人からご挨拶を頂くことが出来ました。
市村さんが『年の功と言うことで!』と先陣を。
『本日は、お忙しい中東京公演の千秋楽に足を
お運び下さいまして有り難う御座いました。立ち見の
お客様も、本当に有り難う御座います。是から旅公演も
地方で御座いますので、ご親戚の皆様に是非
お薦め頂ければと思います。』
竜也さんは、一歩下がって(笑)『旅公演で!
美味しいものを沢山食べて、頑張ります。(照)』と
思わず市村さんにしな垂れ掛かる…
短過ぎると会場からは静かなブーイングが。
そうか、君が地方公演を頑張ることが出来るのは…
美味しいものの夢が、頭に一杯詰まっているからなのだな?
       (^^
もう一度市村さんに押し出されて
『未だ未だ続きますので、より好い舞台を
お観せ出来る様に頑張ります…市村さん共々
宜しくお願いします♪』
共々と来ましたよ、えぇえぇ宜しくしますとも。
成功を、祈る。(*^^)v




戻る