HAMLET [T]    初日 2003/11/17               2003/11

解かってはいても、長いです。(笑)
休憩含め、4時間弱。
これで観客を厭きさせないところが、何てったって凄いです。

このお芝居は、客席全体がステージですね。
惜し気も無くスポットライトが舞い、其処此処の通路から役者さん方が入退場します。
通常の座席部にステージを置き、観客同士を四方から対面させると言う今回の蜷川氏の試みに、
すっかり俗世を忘れてしまいました。

冒頭よりやってくれました、ジャズ!
雑誌で読んだ時は『えっ・・・』と思いましたが、暗雲渦巻く情景を旨く引き出していました。

衣装はシンプルな中に気品が漂って、何時ぞやの心配は何処へやら。(^^ゞ
役者さんによっては、ちょっと重そうな方もいらっしゃいますが、オフィーリアはいいですねぇ♪

美術は、問題の金網は視覚的にやはり少し疲れますが、体当たりする音や役者さん達が指でなぞる仕草、
出入りする動きやスピード感は、演出の一つとして味を出しています。
【尼寺の場】は、教会のステンドグラスを想わせる照明が素敵でした。
金網は、休憩明けと共に第三幕の第三場より撤去されます。
蝋燭をステージに鏤める辺り、只者ではありません。

杏ちゃん@オフィーリア
レアティーズとのこれでもかっ!の近親相姦的兄妹愛(爆)、ラブリーです。
ただ、平常心を保ったオフィーリアは、少々台詞棒読み感が否めませんでした。
錯乱してしまってからは、正常には見えませんね、お見事。

井上さん@レアティーズ
清々しいのですが、惜しいかな爽やかさが先行。
御声が高いせいもあるのでしょうが、全体的に詞に力が入り過ぎている様な。
もう少し、肩の力を抜いた落ち着いたレアティーズ希望。

旬くん@フォーティンブラス
これは、どうなんでしょうか・・・
ヴィジュアルは紛れも無く若きノルウェーの王子なんですが、如何せん発声元が。
頑張って腹筋使って下さい。
締めなんですから!

西岡さん@クローディアス
流石です、滑舌良好お腹に響く重低音。
憎々しくいやらしい^_^;陰謀目論む王好演です。
それにしても、厚底の靴が気になって気になって。(汗)
ガートルードがピンヒールなので、その兼ね合いもあるかとは思いますが。
(-_-;)

高橋恵子さん@ガートルード
しなやかで美しい王妃です。
安心して聞き惚れ、見惚れ。
初めは抑えていますが、終盤に向けて艶かしくなってゆきます!
ハムレットとの【居室の場】、素晴らしくエロティックです♪

洋さん@ホレイシオ
ん〜〜〜、兎に角安心感絶大です。
劇中でもハムレットが唯一心を許す存在ですが、私もすっかり心許してしまいました。(笑)

月川勇気さん@劇中の王妃
やっぱりでした♪すっかり女性です!(^^♪
でも、痩せ過ぎじゃあ〜。(爆)

らっきょちゃん・・・いいんですけどね、墓掘りは。
ウルルン裸族は、あれでいいんでしょうか?
っつーか、アレをカーテンコールで頭に被るのは、やめちくり。(笑)

さて。我が愛しき藤原竜也@ハムレット。
第一独白で、もう虜です。(#^.^#)
何故なら、ほんっと、心張り裂けそうなハムレットが其処に居るんですもん。
こちらのハートもキュンッとなります。
ファンの欲目では無い、と確信しております。
オフィーリアの膝枕、いいねぇ。(照)
劇中色々な場面で『人を小馬鹿にした様な薄ら笑い』を浮かべてくれるんですが、これが私には堪りませんねー。
オイルのヤマトより、心底楽しんで演じていらっしゃる、と思ったのは、私だけでしょうか?
ただなぁ、フェンシングは不満だわぁ〜。
頭振り過ぎ。足で動き過ぎ。上体揺れ過ぎ。
楽日までの進化で、何とかなりませんかねぇ・・・・・
感情入魂抑揚は目を瞠る程だし、喉のケアも人一倍気を遣っているご様子。
激高と穏やかさの狭間も、しっかりと行き来しています。
楽日まで、まだまだ目が離せません。

声が散らばって反響してしまうので、役者さんの後ろ側には台詞が聞き辛いです。
結構早口の場が多いしね。(^◇^)
でも、これは仕方無い、ですよねえー。

開演前、ロビーでとても嬉しそうに、にこにこ微笑んでいた蜷川氏が忘れられません。
あの温かで包容の眼差しに、無事初日を飾った藤原ハムレットは、一体どう映ったのでしょうか。